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院長ブログ

性行為と出血|考えられる原因・病気・受診の目安を婦人科医が詳しく解説!

本来好きな相手との性行為は、大好きなパートナーの腕の中で安心しとても幸せな時間であるはずです。

それが、性行為の最中に、あるいは性行為後に出血があるのに気付いてしまった、となると、突然に幸せな世界から一気に不安な気分に見舞われて目の前が真っ暗になる、仕事が手につかない、スマホで「性行為 出血」と検索することにとらわれてしまう人が出てくることもあるでしょう。

実際、性行為の最中や性行為の後に出血することは珍しいことではありません。

それで不安に思う方も少なくありません。

今回は、そんなに不安な時間をただやみくもに過ごすよりは、このブログを読んでもらえれば一瞬にして不安が吹き飛び、「よし、婦人科に行って診てもらおう!」と前向きに明るく考えられるようになるようにしてみました。

ぜひお悩みのある方も、そうでない方も読んでみてください!

性行為のあとに出血…不安になるのは当然です

性行為の最中や性行為の後に出血すれば、不安になるのは当然です。

しかもたいていは腹痛も何もなく、突然に出血という症状だけ起こるのです。

女性は思春期以降は月経があるので、性器出血があることには慣れています。

ただし、月経と思われる時期に出血することには慣れていますが、自分の予想以外の性器出血には、不安を感じるアンテナがスッと本能的に立つのです。

様々な出血

「黒っぽい出血が出た」
「月経の終わりかけのような茶色の出血があった」
「鮮血(要するに真っ赤な血)が出た」
「ピンクっぽい(月経に比べると薄い)」
「水っぽい」
などの性状の問題から、

「紙で拭くと着くくらい」
「おりものシートで足りるくらい」
「月経と同じくらい出た」
などの量の問題もあります。

そして、「1回だけ出血した」から「出血が何日も続いている」
という出血期間の長さの問題や、

「今回初めてだった」から「毎回性行為後に出血がある」
という頻度の問題もあります。

いずれにしても、月経ではない出血はすべて不正出血です。

不正出血の理由

不正出血が出る理由としては、妊娠、がん、性感染症などがあるでしょう。

では、自分は本当にどうして性行為の最中や性交後に出血したのか、この悩みから抜け出し本当に安心できるためには、やはり専門家に相談することが一番早いのはもっともなところです。

でも、性行為の最中や性行為後の出血は、実は妊娠やがんや性感染症などの特別な理由があるだけでなく、自分の身体が異常な状態だけでなく起こる場合もあります。

まずは、どういうときに性行為に関係する出血が起こるのか、を正常な状態から異常な状態までの正確な知識を一緒に学んでいきましょう!

考えられる出血の原因一覧【病気・病気でないもの】

【1】病気ではない原因

①性行為による物理的な傷

性行為に関係する膣の入り口や膣の中は、皮膚ではなく粘膜です。

少し乱暴に口や指やペニスを挿入すると傷がつきます。傷がつけば出血します。まずは、乱暴な性行為をしていませんか?と問いたいです。

②性交痛を感じたとき

これも①でご説明したように、女性が濡れていないのに強引に指やペニスを挿入しようとすれば摩擦で粘膜に傷がつき痛みを感じ、出血するでしょう。

ですので、性交痛やそれに伴う出血が起きるときには、安心してリラックスし、自然に濡れる状態で性行為をしているかを十分に確認しましょう。

また、ピルを含めた月経困難症などの治療で治療を行っている方の中には、本来の年齢よりも女性ホルモンの分泌が抑えられている方がいます。

そのような方は濡れにくいということが起きてしまう場合があります。その時は、潤滑ゼリーなどを使用して女性が痛みを感じることなく性行為を行える環境を作ってあげることも大事です。

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>>更年期・閉経後の性交痛

③更年期・萎縮性膣炎

②でお話しした女性ホルモンの分泌が抑えられている状況として、生理的に考えられるのが、40歳以上の更年期世代~閉経後世代の方たちです。

女性ホルモンの分泌が低下と、粘膜の水分を維持するために必要な成分であるコラーゲン含有量の維持力が低下し、膣の入り口や膣の中が乾燥した状態になります。

膣内の血流量も減るため、余計に膣分泌物(おりもの)の分泌量も減りますので濡れにくい状況になります。乾燥した粘膜は摩擦などの刺激に弱いため、傷つきやすく、そして出血しやすくなります。

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>>萎縮性膣炎について

④排卵日

排卵日は、左右の卵巣にある卵胞から卵子が精子に出会うために腹腔内へ飛び出す現象をさします。

排卵する時には卵巣に大なり小なり穴が開いて卵子が飛び出し、実は空いた穴からは出血をしています大きく穴が開いた場合には出血が多くなる可能性があります。

排卵で生じた出血は腹腔内にたまり、自然と吸収されて無くなるのですが、稀に出血量が多いと卵管采から出血が卵管に入り、子宮内へ逆流して性器出血のように見られることがあります。

そのため、排卵日に性行為をすると、偶然排卵のために起きた排卵出血がまるで不正出血のようにみられることがあります。

排卵出血は病気ではなく、正常な月経周期の中で起こる出血です。通常は少量ですが、稀に月経の出血くらい出るという方もいます。

⑤妊娠初期の着床出血

受精卵が厚くなった子宮内膜に着床する際に、子宮内膜の血管を少し傷つけることで出血することがあり、それを着床出血といいます。

着床出血が起こる頃はちょうど月経予定日に近いため、まだ妊娠したか自分でも気づかない状態で性行為をされることがあると思います。その時、偶然着床出血が起きた場合には不正出血のように感じるかもしれません。

ただし、このあとお話する切迫流産と着床出血はご自分では判断が難しいため、そこはやはり専門家である婦人科を受診し確かめていただく必要があります。

⑥子宮膣部びらん(膣部びらん)

子宮頸部の一部で一番膣側に飛び出た部分を子宮膣部といいます。

その部分が赤くただれたように見えることを子宮膣部びらんといいます。何かの異常でただれが起きているわけではなく、月経が来ている年齢の女性では病気ではありません。

卵胞ホルモン(=エストロゲン)の分泌が活発な時期に子宮膣部の表面が薄皮が向けたような状態になる(転んでひざを擦りむいたときに、皮がむけたけど出血せず汁だけがでる、というご経験があるかと思いますが、その皮がむけた状態を想像していただけると分かりやすいと思います。)、になっているのです。

月経が来ている年齢の女性の8~9割でふつうにみられます。エストロゲンの分泌が低下する更年期になると、膣部びらんは場所が頸管の奥へ移動していずれ消えていきます。

常に子宮膣部が薄皮が向けたような状態になっていますので、摩擦などの物理的な刺激によって出血を生じることは珍しくありません。

性行為の最中、または性行為後に出血をしたという20~30代の方で子宮膣部びらんが原因という方の割合は多いです。

病気ではありませんが、毎回性行為のたびに出血する、出血の量が多い、出血の日にちが長いなどの時には膣部を焼灼する治療もありますので、婦人科でご相談ください。

【2】病気である原因

①子宮頸管ポリープ/筋腫

子宮頸部(子宮の入り口)の管状の構造をしている部分を子宮頸管といい、その場所にできる良性の腫瘍を子宮頸管ポリープ(時に筋腫のこともあります)といいます。

どちらも性行為によってポリープや子宮筋腫に摩擦刺激が加わることで出血が生じることがあります。

中には全く症状がなく、偶然子宮頸がんの定期検診で発見されることもあります。子宮頸管ポリープと思っていたものが、実際取って病理検査に出したところ、子宮筋腫だったということもあります。

②子宮頸がん

正常の子宮膣部びらんからの出血だから、と高をくくっていると足をすくわれることがあり、それが子宮頸がんです。

子宮頸部にできるガンです。

子宮頸がんは現在日本では20~30代の妊娠・出産年齢の若い女性に多く、その年代の1年で約1200人が全体では1年で約10000人が治療のために子宮を失い、1日に約10人に1人が亡くなっているガンです。

予防のワクチンで子宮頸がんの約9割は治療が必要な状態の子宮頸ガンの発症を予防でき、定期検診を加えて行うことでこのがんで亡くなる人が100%がいなくなる時代になりましたが、いまだに日本の予防ワクチン接種率も定期検診受診率も低いことが問題視されています。

子宮頸がん検診をうけよう

妊娠・出産年齢の若い方で性行為出血が見られた方には、子宮頸がん検診をおすすめし、2年以上行っていない方にはその場で検査することを絶対にお勧めしています。

③性感染症(クラミジア・淋病など)

妊娠・出産年齢の若い方で性行為出血が見られた方にもう一つおすすめして必ず行う検査が性感染症の検査です。

日本人女性で一番多い性感染症はクラミジア頸管炎です。

クラミジア頸管炎は最初は無症状ですが、病状が進行するにつれておりものの異常や不正出血や腹痛、重症になるとお腹の中全体に炎症が及び不妊症になってしまうなどが見られるようになります。

性感染症は目で見える症状が出たときにはかなり病状が進行していることが多いことを知っておくべきだと思っています。

クラミジア感染症だけでなく、不正出血につながる性感染症は他にもあります。

一つ性感染症を持っている人は、他の複数の性感染症を持っていることも多いため、ご心配な場合には受診先の医師に声掛けしていただいても良いでしょう。

また、性感染症だけに限るなら、全国の保健所で匿名で検査を受けたり相談をすることができますので、いざという時にはご活用ください。

④妊娠初期の出血

妊娠初期の出血で病気ではない原因として着床出血についてご説明していますが、病気が原因の出血もあります。

それは「切迫流産/流産」「胞状奇胎」「子宮外妊娠」です。

女性は妊娠するとそれまで来ていた月経が止まり、出産が始まる頃になると産徴(おしるし)という出血がみられます。

妊娠期の異常な出血とは?

つまり、妊娠が分かってから出産が始まっても良い時期までの出血は、着床出血以外はすべて異常な出血ととらえてください。

・切迫流産/流産

無理をすると出血などの症状が悪化し流産になってしまう状況を切迫流産、子宮内で胎児が育たなくなってしまったために体が回復する過程で妊娠してできたものを子宮外へ出そうとして出血が起きている状態が流産です。

・胞状奇胎

受精や胎盤の発生に異常があり、ブドウのような細胞が子宮内に充満してしまう絨毛性疾患という病気です。

昔は「ぶどうっ子」と呼ばれたりしました。

正常な妊娠にはならないため、見つかった時点で流産として手術になることが多いです。妊娠全体の約1/500の頻度で起こるといわれています。

・子宮外妊娠

子宮内に受精卵が着床せず、子宮外(多くは卵管)に受精卵が着床してしまう病気です。

放っておくとお腹の中に大量出血を生じ、出血性ショックで亡くなってしまうこともあります。

妊娠検査薬で陽性が出たら受診!

これらの病気はすべて、産婦人科を受診し、診察を受けなければ診断に至らない病気です。

性交出血があり、もしかしたら妊娠も考えられる状況の方は、最近は妊娠検査薬で陽性が出てから1カ月近くたってから受診される方も多いですが、検査薬で陽性が出たら日にちを置かずに産婦人科を受診することをおすすめします。

出血の「色・タイミング・量」から分かること

①出血の色の違いで何が分かる?

出血の「量」「場所」「時間」で”色の違い”が出てきます。

出血量

出血の量が少ない場合はピンクやオレンジなど、真っ赤にならずに色が薄く感じることが多いです。

出血時間

また、比較的出血の原因となる事柄(今回でいうなら性行為)から出血に気づくまでの時間が短いほど赤に近いフレッシュな色になります。

出血場所

膣は個人差がありますが約7~9㎝の長さのある管状の臓器です。

子宮の中や子宮頸部など、膣の入り口から遠い場所で少量の出血があった場合、出血部位から膣をつたって膣の入り口まで到達するのにはかなり時間がかかります。

その場合、出血が茶色や黒色などになることが多いです。

出血の色で病気の判断はできない

決して出血の原因が病気の場合、病気でない場合で色が異なる訳ではありませんので注意をしてください。

②性行為中?翌日に出る出血?の違い

①から考えると…

性行為中に出血をする場合

出血の量が少ない場合はピンクやオレンジ、量が多い時は赤い出血など、その瞬間に出ているのでフレッシュな色で出ることが多いです。

子宮の中からや子宮頸部など、膣の入り口から遠い場所で起きた少量の出血でも、ピストン運動などで出血が膣外へ掻き出されて気づくことがあります。

また、性行為による膣の入り口や外陰部などの傷は出血場所がすぐに確認できるため、フレッシュな色で気づきます。

翌日に出る出血

性行為が原因であったなら、子宮の中や子宮頸部など、膣の入り口から遠い場所での少量の出血であったことが考えられます。

毎回出血がある場合

子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、性感染症などが否定できません。早めに産婦人科を受診して相談してください。

10代・20代・30代以降|年代によって変わる“原因と注意点”

年代によっても性行為出血の原因が大きく分けられます。

月経のある生殖年齢層

月経が来ていて、妊娠・出産が可能な年齢層は、たとえ10代などの若い年齢の方でも性感染症であるクラミジアの可能性がゼロではありませんので、必ず検査しましょう。

また、10代や20代の人の性行為は、性に関する雑誌や動画の影響で暴力的な性行為を行う人が中にいます。「痛い」と感じる性行為は、膣内や膣入口部や外陰部に傷ができ、それが原因で出血をすることもあるでしょう。

性に関する雑誌や動画の内容はすべてファンタジー(見るものが楽しむためだけの作り物)です。実際あることでは無いので、まともにとらえてマネすることのないようにしましょう。

20代に入ると、性行為による摩擦で出血しやすい子宮膣部びらんや子宮頸管ポリープが考えられます。

初めての性交年齢が早い人は、子宮頸がんによる出血も考えられますので、性行為を経験してから一度もがん検診を受けたことが無い方は、是非検査をしてください。

また、ぜひ性感染症も検査してください。

30代以降の女性

30代も妊娠・出産年齢ですので、出血の原因は①と同様ですが、初めての性行為から10年もたっているのにがん検診を一度も受けたことが無い、という方は、かなり進んで子宮頸がんが見つかることもありますので、早めに婦人科の検査に来てください。

また、性感染症が一つあると、他の性感染症にもなりやすいという特徴があります。

クラミジア感染症や淋病などが見つかった方は、徹底的に色々な性感染症を検査しておくことも大事です。

40代以上の更年期女性

40代からの出血の多くは閉経に向かって女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下することにより、膣分泌物の減少や乾燥感から生じる「萎縮性膣炎」という状態が原因です。

>>萎縮性膣炎について

エストロゲンの分泌が減ると、膣の粘膜や外陰部の皮膚が固くなり伸縮性が悪くなるので、まず挿入部で痛みを感じ、粘膜や皮膚が切れて出血の原因となります。

また、エストロゲンの分泌が減ると骨盤内の血流が減り、膣や外陰部の潤いが減ります。すると、ペニスのピストン運動で摩擦が起きれば皮膚も粘膜も表面が傷つき出血が起こります。

もちろん性行為がある限りは、何歳になっても性感染症やがんなどが原因による出血も絶対にゼロではありませんので、出血を放っておかずに(特に閉経後の方の出血は注意!)早めに産婦人科に相談しましょう。

>>更年期・閉経後の性交痛

すぐ婦人科を受診すべきサイン

今までお話してきた中で、性行為中あるいは性行為後に出血をするのは病気が原因の時と病気が原因でない時があるというお話をしてきました。

しかし、原因が何であってもすぐに婦人科を受診すべきサインがあります。

①出血が止まらない

原因が病気であっても病気でなくても、出血が止まらないのは、もしかしたら少し大きな血管が傷ついてしまっており、止血処置などをしないといけない状況が起きているのかもしれません。

生理用ナプキンを使うほど、その上、生理の多い日かと思うほどの赤い出血をするようでしたら、なるべく早く受診してください。

②発熱や強い腹痛を伴う

出血とともに発熱や腹痛がある場合には、性行為によって傷口が出来ただけでなく、そこから細菌感染を起こして炎症が起き、発熱や腹痛という症状につながっていると考えられます。

日本の女性に一番多くみられるクラミジア感染症が原因で起こる場合が多いですが、不清潔な状態(汗をかいていて入浴もせず、手も洗わずコンドームも使用しないなど)で性行為を行うと、クラミジア感染症といった特別な菌でなくてもやはり子宮口や子宮内に細菌感染を起こし、腹痛や発熱の原因になります。

これは骨盤腹膜炎という状態で、この状態になると抗生剤を投与しても完治にもっていくのが困難です。そうならないように、清潔な状態での性行為を心がけましょう。

③妊娠中または妊娠の可能性がある

最終月経がいつだったか思い出してみましょう!

もしも1カ月以上前だったなら、妊娠したための出血(着床出血や切迫流産など)の可能性があります。出血だけでなく月経痛のような下腹部の痛みを伴うこともあります。

薬局で妊娠検査薬を購入して検査をしてから婦人科を受診しても良いですが、検査せずに直接婦人科の扉をたたいて相談するのもアリ!ですよ。

④最近子宮頸がん検診を受けていない

40歳で未婚、パートナーが女性の月経周期をチェックしているような患者様が昔いました。月経の出血がずっと止まらない、とパートナーに促されて婦人科を受診したところ、かなり進行した子宮頸がんでした。

ご自分の月経周期もチェックしていないような人でしたので、もちろん一度も子宮頸がんの定期検診は受けたことが無い、という状況でした。

子宮頸がんは性感染症です。

性感染症は目に見える症状が出たときにはかなり病状が進行していることがあります。若い方はガンの進行も早いです。

子宮頸がんの予防ワクチンであるHPVワクチンを接種していない方は、市町村のすすめる2年に1度と言わずに好発年齢である20~40代は毎年定期検診を受けても良いと思っています。

⑤パートナーに性感染症歴がある

セクシャルパートナーが性感染症にかかったことがあった、と聞いたならば、きちんと治療をして完治しているのかは確認しましょう。

そうでないと、ピンポン感染といって性感染症をいつまでもうつしあいっこしてしまいます。

パートナーの性感染症歴を聞いているだけでなく!性行為を行う相手が変わったならば性行為を行う前に、お互い性感染症の検査を受けるのが相手への礼儀です。

性感染症を持っているかどうかは顔には書いていません。

なぜなら、性感染症は、男女差別をしない、顔で選ばない、お金があるなし関係なし、学歴不問、セックスの経験に無関係、職業で選ばない、性器からだけうつるのではない病気だからです!!

当院でできる検査と治療の流れ


1.問診

もしも「性行為中、性行為の翌日に出血があったのですが、、、」といって相談にいらした患者様が来たら、まずはしっかりと出血が起きた状況、どんな色か量だったのか、出血の他に腹痛などの症状が無いのかなどを丁寧にお聞きします。

もちろん当院では個室対応で女医のみが対応いたしますので、お話しずらい内容も話していただければより診断に役立ちます。

2.内診台での診察

出血の原因となる傷が見た目に無いのか、膣の中や子宮の膣部などに出血の原因となる傷やポリープなどの病気が無いのかを、しっかり目で見て確認します。

3.超音波検査

その後は、子宮や卵巣などの骨盤の中の状態がよくわかる超音波検査を行います。

可能な限り診察に対する恐怖感や痛みへの心配が少なくなるように、声掛けをしながら行ってまいりますし、専任の看護師がそばについてご心配や不安に寄り添う形で診察をしてまいります。

4.内診

超音波検査のほかに実際に腹痛などの症状がないかの内診というものをさせていただく場合もあります。

5.性感染症の検査

ここまでの診察で必要と判断した場合に、性感染症検査(クラミジア、淋病、トリコモナス、など)や子宮頸がん検診や子宮体がん検診なども行います。

子宮頸管ポリープの切除

子宮頸管ポリープに関しては、小さなものであれば、内診台での診察の途中で麻酔をしなくても全く痛みを感じずに切除することができますので、その時は切除するかどうするかをその場でお聞きすることがあります。

6.検査結果後

検査の結果、性感染症や膣炎などの抗菌薬処方が必要な病気が見つかった場合には、その場でお薬を処方してご帰宅いただき、1~2週間後に症状の改善があったか無かったかをきちんとフォローいたします。

いずれにしてもとてもデリケートなご相談ですので、最初の問診も女性の専任看護師が行い、診察も女性医師が対応します。

プライバシー配慮には十分に心がけておりますのでご安心ください。

よくある質問

Q1.性行為のあとに一度だけ出血がありました。病院に行くべきですか?

おりものにごく少量混じる程度の出血で、たった1回であれば少し様子を見ても良いと思いますが、1回の出血でも治療をしなければいけない病気が隠れていることもありますので、気をつけてください。

Q2.性行為後の出血は何科に行けばいい?婦人科で大丈夫?

性行為後の出血は女性の場合はぜひ婦人科に、男性の場合は泌尿器科にご相談ください。

Q3.恥ずかしくて相談しづらいけど大丈夫?

婦人科での相談はある意味すべて言いづらい内容のご相談だと思っています。プライバシーを守れるような個室個別対応でお話を聞いて診察を行いますので、ご心配なくご相談ください。

Q4.性に関することなので、婦人科で相談するのが恥ずかしいのですが…

たかき医院では看護師も医師もすべて女性ですし診察室も個室でお隣の方のご相談内容がき終えてしまうようなことは絶対にありません。ですので、安心してお話しください!!お待ちしております。

Q5.出血が軽いので様子を見てもいい?自分でできることはありますか?

出血の量が少なかったり、1回で止まったとしても性感染症や子宮頸がんなどが無いわけではありません。ネットでご自分でできる性感染症や子宮頸がん検査キットは販売されていますが、検査の精度が低く病気を見過ごしてしまうことも考えられるため、一度はきちんと婦人科を受診して検査を行うことをおすすめします。

Q6.性行為のたびに出血します。これって異常ですか?

子宮膣部びらんという子宮の入り口部分がひと皮むけた状態になっていることが妊娠・出産年齢の方ではよく見られます。この膣部びらんは病気では無いのですが、状態によっては性行為での摩擦によって出血が起きやすいです。

ただし、毎回性行為によって起こる出血が、病気でないにしても、毎回量が多く頻繁に起こる場合にはレーザーで出血しやすい部分の血管を焼いてしまうという治療法もあります。ただし、出血の原因が性感染症や子宮頸管ポリープや子宮頸がんなどの病気のこともあります。一度はきちんと婦人科を受診してみてくださいね。

Q7.妊娠中でも性行為後に出血することはありますか?

妊娠中は、妊娠が確認されてから出産が始まる時期までに出血が起こることはすべて異常です。流産や頸管ポリープやクラミジア頸管炎、早産などのサインかもしれません。たとえ出血が少量であっても、出血のほかに何も症状が無くても、念のためにかかりつけの病院に問い合わせをして受診しましょう。

妊娠中の性行為は、必ずお互いが入浴後に行うこと(細菌感染が流産や早産の原因になります)、乳房乳首などへの過剰な刺激は行わないこと(子宮収縮が促されて流産や早産の原因になることがあります)、女性側が体調の悪い時には絶対に行わないこと!を必ず守ってくださいね。

【まとめ】出血は体からのサイン!恥ずかしがらずに相談を


性行為中や性行為後に出血することは比較的あることです。

まずはそれを安心材料として、でも、出血の原因には病気ではないものから、早めに治療をした方が良い病気までさまざまであることも忘れないでください。

なので、もしかしたら重大な病気のサインをまだ重大になる前の早いうちにからだが皆さんに教えてくれているのかもしれません。

早めの受診で不安が安心に変わる!!これは絶対に言えることです。

答えにたどりつかないスマホやパソコンの情報をいつまでも眺めているよりも、気軽に婦人科の扉を開けてみてください。

婦人科は性行為中や性行為後の出血のエキスパートです。

一瞬にしてあなたの心配を吹き飛ばしてくれることでしょう。
きっと「婦人科に行ってよかった」と思える一歩がありますよ!!

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新潟県のたかき医院について

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仲 栄美子

仲 栄美子(なか・えみこ)
たかき医院 院長/日本産婦人科学会 専門医


女性の健康と心に寄り添うヘルスケアアドバイザーとして、日々診療にあたっています。
医師としての知見に加え、ヨガやメディカルアロマ、精油の知識を活かし、ライフステージごとに変化する女性の体と心をトータルにサポートしています。

取得資格・活動

  • ヨガインストラクター RYT200(サントーシマ香 師事)
  • 産後ヨガインストラクター
  • チェアヨガインストラクター
  • 骨盤底筋ヨガインストラクター(高尾美穂 師事)
  • MAA認定メディカルアロマプラクティショナー
  • MAA認定キャリアオイルマスター
  • MAA認定ホルモンアドバイザー
  • yuica認定 日本産精油インタープリター

著書

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